桜から見る日本人の死生観
要旨:桜は日本の国花として日本人に愛されている。花見の時期、桜の下でお酒を飲んだり、話をしたりするのは実に楽しいことてある。しかし、散る桜には死のイメージがある。桜は日本人の死生観と関わっている。では、桜が日本人の独特の死生観にどのような影響をおよぼしているのか。本論文では主に桜の特性の面から桜と日本人の死生観の関係について分析する。
キーワード:桜、死生観中国には「安らかに死ぬよりはみじめながらも生きていたほうがよい」という意味の諺がある。「生」は人間に一番大事なものであるに対して、「死」はすべての終わりを意味しており、どんな華やかな美しい形でも「死」は死である。キリスト教を主な信仰とする欧米諸国でも「死」に否定的消極的な気持ちを抱いている。キリスト教の教義によると、自殺が許されるものではない。命が神に受けられるものであると信じ、神だけが人間の生死を決められる。そのほか、仏教においても自殺を反対の対象とされている。自殺が非常に厳重な殺生の罪であり、死後地獄道、饿鬼道、畜生道という三つの悪道に落いるという説がある。
しかし、日本民族の死亡に対する信仰は他の民族と違っており、自分の意思で自分の命を終えることは容認できる。『ノルウェイの森』に生と死の解释があるように「死は生の対立ではない、生の一部として存在する」。日本人にとって、死は生の続きあるいは生の一部として考えられている。世界中に知られ渡った日本人小説家村上春樹の小説『ノルウェイの森』の中に、木月が死んだ、初美が死んだ、そして緑の父親も死んだ、または最後に直子も死んだ。作者はひとりひとりの死の描写を通じて死そのものを評価しようとした。文学は文化の土壤に根をおろすと言われている、日本社会独特の死生観もそこから伺われるのである。文学作品だけではなくで、日本人作者自身、だとえば芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫らも自殺という形でみずからの命をたった。
池田真由香の『日本人の死生観とターミナルケア』の中に以下の話がある。日本の文化の特徴の一つとでもいえるかもしれないが、「死」に対してのなにらかの美学が存在するように思われる。特に侍や兵士の生き方の中に、死を「潔さ」、「忠孝」、「潔癖」等のあらわれであるという捉え方もかがえる歴史がある。さらに、家族に対して迷惑や心配をかけたくないという配慮から、痛み等の苦痛に我慢して笑顔さえみせようとする。
ようやく満開の桜も散り始めた。今春は寒暖の温度差の激しいなか、とりわけ花見の宴が隆盛だった。世の中を不況や雇用不安が覆うなか、古い日本を軽蔑していたはずの若者たちが、桜の下にビニールシートを敷き、酒を飲んで気勢をあげる風景が幾多見られた。一気飲みを皆ではやす風景は、はた目には自暴自棄、ヤケッパチ行動に見える。外人観光客たちの違和感をかきたてる光景でもある。(『日本人の死生観』単行本 1998-6)
古来より、桜は特に日本人に親しまれている。日本の国花である桜は「大和心」を象徴している。日本人は、桜を蕾みから満開、葉桜になるまでみんなで楽しむのである。しかし、桜の開花期はすごく短いものてあるため、絢爛たる姿で世間に見せる時もすぐ散ってしまうことを迎える。まさに日本語の諺である「命の露」のように瞬時に消え失せてしまうものである。日本には「花は桜、人は武士」という諺がある。開花期が極短い絢爛たる桜と勇ましい「切腹」とつながる武士を評価の対象とすることは生死を軽くみる一方美の極致を命の追求とする死生観をいきいき表現している。
日本人は生きている時が桜ように絢爛的な姿を表れたから、死の時も桜が枯れように同じ姿がほしいと思う。それは日本人特有の生は絢爛の桜の如き、死は散る桜の如くの死生観。(宋会芳 『从赏樱透视日本人的生死观』)
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