否定丁寧形「ません」と「ないです」の使用に関わる調査研究
―教育の立場から
摘要:日本語の否定丁寧形には「~ません」と「~ないです」という二つの形式が存在する。その話し言葉における使い分けに関して、近年いくつかの論文により、実態の量的な調査結果が明らかにされている。その結果として、文脈や状況による差はあるとしても、全体としては「ません」から「ないです」への傾向が見られている。本稿では、この否定丁寧形の「ゆれ」に焦点を当て、日本語母語話者(NS)と中国の日本語学習者(NNS)を対象に、アンケート調査を実施する。動詞、形容詞、名詞、固定文型という四つのタイプから、NSとNNSにそれぞれ否定丁寧形の使う傾向を選んでもらう。両方の結果を比較し、考査を進める。
关键词:否定丁寧形;ゆれ; 日本語母語話者;日本語学習者
一、文献综述
言葉の動きについて、飯豊(1975)は、始めはごく少数の人々に用いられ、一般には誤用と認定されていたが、やがてそれが多くの人に用いられるようになり、正当な言語として位置づけられると述べている。誤用から正用への変化と違い、動く言葉のもう一つの特徴として提出されたのは言葉の「ゆれ」である。「ゆれ」とは、同じ意味を表現するのに2つ以上の言い方があるということである(澤邊・相澤2008)。この点に関して、近年目立つようになったのは丁寧否定形である。
現代日本語において、否定丁寧形には「~ません/ませんでした」と「~ないです/なかったです」という二つの形がある。品詞によって、「学生ではありません/学生ではないです」(名詞)、「書きません/書かないです」(動詞)、「高くありません/高くないです」(形容詞)といった形がある。
日本語の丁寧表現を歴史的に見ると、「ます」は数百年に及ぶ歴史を持っているのに対し、「です」が一般に使われるようになったのは高々百年あまりに過ぎない。それにもかかわらず、「です」の進出は傾向として著しいと言える。
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