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「萌える」とは本来、草木が芽吹くという意味だったが、2000年ごろから、日本のアニメと漫画の間で、美少女キャラクターなどを見た時に、大きな目、制服、ミニスカート、ハイソックス、うさぎ耳のカチューシャが特徴だ。心に湧き上がる強い好意などの感情を表す言葉として使用されるようになった。今ではかわいらしく、幼いイメージを形容する葉としても使われる。「萌え」と形容される対象は通常、かわいらしく純粋で、好感が持てるような人や物事が多い。萌えから派生した「萌え文化」は、日本のアニメと漫画を通じて世界へと広がり、今や日本文化のソフトパワーを象徴するようになった。
2008年に出版された日本語の辞書『デジタル大辞泉』では、「萌え」を草木の芽が出ることである。芽が出る時が春である。俗に、ある物や人に対し、一方的で強い愛着心、情熱、欲望などの気持ちをもつ。」と定義している。
社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)は2006年4月24日、一般消費者を対象とした「2006年CESA一般生活者調査報告書」を発刊した。「萌え」の認知度利用状況については、全国の3~79歳の1103人を対象とし、萌えに関する調査を行った。CESAにおける萌え定義は「マンガ?アニメ?ゲームの登場人物(キャラクター)などに愛情を抱くこと」とされる。この定義で認知度を測ってみたところ男女性別平均の認知度は男性548人中66.4%、女性555人中65.6%であった。「よく知っていて自分でも使っている」と答えたのは男性の場合20~24歳の8.9%、女性の場合15~19歳の12.1%が最高であった。
岡田斗司夫(1999)『オタクの迷い道』:1993年に放映された『恐竜惑星』の主人公の名前は「鷺沢萌」で、アニメのファンがアニメに真似し、「萌え~」と大声で呼ぶことから使われるようになったという主張を述べた。
岡田斗司夫(2000)は自著『オタク学入門』で更に早くからこのオタク文化の可能性について次のよに言及していた:「オタクは日本文化の正統継承者である」と主張している
大泉実成(2005)「萌え研究」:日本のオタクアニメ族は、「萌え文化」を社会の主流にまで押し上げ、「萌え産業」「萌えブランド」「萌え経済」「萌え株」が誕生するまでになった。多くの「萌え」系漫画や雑誌は、低迷していた日本の出版業に巨大な利益をもたらした。
東浩紀(2001)は『動物化するポストモダンオタクから見た日本社会』の中で、オタク系文化を批評する意義――オタク系文化はJポップのような国民的広がりをもつ文化ではないが、決してマイナーな文化でもない。オタク系の消費者は、きわめて活動的な層に限っても、数十万の規模を下げることはないと思われる。そしてさらに付け加えれば、オタク系文化はもはや日本だけの現象でもない。オタクたちが作り上げたコミックやアニメ、ゲームなどの独特の世界は、アジア地域のサブカルチャーに深い影響を与えている。
堀田純司(2005)『萌え萌えジャパン』講談社によれば、日本人は「萌え」を発見したという。「萌え」とは、キャラクターの不在を脳内で補完する行為。日本のコンテンツ産業の総売上額は12兆円を上回り、これはなんと第1次産業の総生産額を凌駕する数字である。その中でもキャラクターライセンス商品の市場は、約二兆円と試算される。文化、産業の両分野で巨大な存在感を示すようになったキャラクター表現。
経済評論家の大前研一氏は著書「真実の日本」の中で、「萌え文化に夢中な若者は、現実逃避傾向があり、消極的で向上心が無い。考えることを捨て、責任感が無い。無知を個性、若さを資本と思い込み、語彙が少なく、言葉もぶっきらぼうだ」と指摘している。
参考文献:
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